空と海の彼方

機能不全家族のなかで育ち、アスペルガー症候群と診断が下りたみかんの日々を綴っています。ひっそりと暮らしたい。

分かってほしい症候群

 理解者がほしいという気持ちがずっと昔からあります。家族との関係が上手くいかず、学校生活でも上手くいっていなかったので、自分の気持ちを分かってほしい、愛されたいという気持ちが人一倍強かったように思います。
 

 分かってほしい症候群とも言えば良いのか、この気持ちがなかなか厄介で、私は他者に過剰な期待をしてきました。他者に家族の役割や自分の欠けたものを補うことを期待していたので、人との距離感がおかしい状態が続いていました。長い間、「どうして私の味方はいないの⁉」とか「どうして分かってくれないの⁉」と怒りを覚えていたのですが、私が体験してきたことは私にしか分からないということ(当たり前のことなんだろうな)をやっと受け入れつつあります。
 

 それぞれ悩みや痛みを抱えていて、それを分かり合うことは難しく、人との関係性は結局のところ、どこまで行っても平行線なのではないかと思います。このことは当たり前のことだと思うと同時に、どうしようもない寂しさを覚えます。
 

 最近、カウンセリングを受けたり、病院の先生とお話したりすることがあり、一人で抱えていることが辛い荷物は支援を行っている人たちと少しずつ分担して持っていくという選択肢があることに驚いていたりします。他者との関係性については、どうせ平行線で分かり合うことができないのならばと、ずっと本音を言わず、友人とも無理やりおどけたりしてなるべく深く関わらないようにしてきたからです。臆病なことに、今まで仲良くしていた相手から見捨てられることを過剰に恐れてきたので見捨てられる前に自分から離れようと思い、一方的に関係を絶ったことがありました。振り返ると、私の一貫性のない態度に傷つけてしまった相手には本当に申し訳なく思います。見捨てるとか見捨てられるとかではなく、もっと怯えずに人と関わっていきたいものです。
 

 100%自分の味方になる救世主じみたものは存在しないわけですが、ネットの海を漂流していて、案外悩みの相談に乗ってくれるような場所(いのちの電話だったり、よりそいホットラインだったり)があることを知って、相変わらず気分の上下は激しいのですが、少し気持ちは楽になりました。